氷の華とチョコレート


「黙って協力して欲しいんだけど?」

「はい?」


 さんざん嫌がらせをしてきた相手に、き、協力とか、よく頼めるなぁ……。信じられない思いで、私は、小山内先輩をポカンと見つめた。でも、無視され続けるよりは、マシな時間を過ごせそうな気がする。


「あのう、どんなことですか?」

「……」


 小山内さんは、キョロキョロと周りを見回して、挑むように私を見た。なんか怖いんですけど?


「今日の16時に、Re:社の平井さんが来社されるの」


『Re:社』最近よく聞く会社名だわ、平井って言う人は、中野さんが言ってたオーラ凄いのイケメンのうちの、確か一人だったような?


「はい、私は何をすれば?」

「……」


 ん?

 小山内先輩は、うつむいたまま何かを考えていた。


「小山内、さん?」