「美羽! 大丈夫だった?」
「菜摘……」
向こうから、菜摘が走って来て、ギュッと抱きしめてくれた。彼女のぬくもりにホッとして、緊張していた身体から力が少しずつ抜けてゆく。
「……菜摘、弟さん達を連れて来てくれてありがとう、こっちに呼んでたんたね、いきなり現れて驚いたよ」
でも、どうしてこんなにピッタリのタイミングで、連れて来れたんだろう?
「ふふ……、真間さんとKEYさんと暁陽で、色々打ち合わせしてたんだよ?」
「えっ?」
何時そんな事をしていたのだろう? あんなに仕事で忙しくしてたのに? と驚いて、真間さんを見たら……。
「ごめんね、氷室さん黙ってて……」
彼は、申し訳なさそうに謝ってくれた。
「内緒にしてって、あたし達が頼んだの」
「お前が知ってたら、キョドってロクなことないだろ?」
うっ……。
声の方を見ると、暁陽もすぐ近くまで来ていたらしく、いつもの意地悪な笑顔で言われた。でも、その内容が、当たってるだけにヒドい。


