「さっき言った収音機に入った音声全てと、オレを殴った時の画像でしょ? それにコレ、何処につながってるか知りたくないですか?」
コートの襟に付けていたブローチに触れて、真間さんが静かに笑む。
「そんなものΣ★Δθ▼βΘ■持ってんじゃ〼卍∞凸★寄越せ凹@#!!!!!!!」
興奮して、また真間さんに殴りかかろうとしたのを、私ごと真横にかわして、大振りした栗栖さんが、自分を支えきれずに地面に転がる。
「大丈夫ですか? 手を貸しましょうか?」
「Δ〼卍★凹お前が、Σ■〼卍Σ凸∞▼βΩだろっ!!!!!」
「ちなみに、示談交渉には応じるつもりなので、頑張ってくださいね、……でも、交渉するのは、あなたじゃなくて、そちらにいらっしゃる、弟さんと…―――」
えっ?
真間さんの言葉に、私と栗栖さんが同時に固まった。
彼の視線の先に、タクシーから降りて来た、菜摘と、以前会った事のある男性とご婦人がいて……。
「兄さん」
「仁志……」
あっ……。
弟さんと一緒に、栗栖さんのお母様が心配そうにこちらを見て…―――
「……っ」
なんて凄いタイミング?
菜摘の後ろに、暁陽も見えて手を振ってくれていた、……二人とも、こっちに連れて来てくれたんだ?


