氷の華とチョコレート


 ニコニコと楽しそうに笑って話す真間さんに、興奮して何を言っているか聞き取れない栗栖さんとの会話が、一見成り立っているようで……、全然かみ合っていない。

 どんどん真間さんペースの話しにシフトチェンジされている気がした。


「……ナンなんだよ!! お前は!!」

「同じ言葉を返しますよ?」


 栗栖さんの言葉に、スッと無表情になった真間さんが冷たく見下ろす。


「お前がっ、Θ■〼∞凸★凹@んな!!!!」

「見てください、コレ」


 立ち上がった栗栖さんに、また楽しそうな笑顔を張り付けた真間さんが、コートの襟に付けていたピンブローチを見せて言う。


「オレの友達『なんでも屋』さんなんですけど、貸してくれたんですよ? あと、コレも……」


 コートのポケットから、小さくて細長いリモコンみたいなものを取り出して、真間さんが静かに笑う。

 不可解な表情で彼を見ていた栗栖さんが、更に眉を寄せていた。