氷の華とチョコレート


「―――…それで、閉じ込めるとか? 意味が分からない」


 わからないはずの言葉に、真間さんは淡々と言い返す。わざと怒らせるようなことをしているのか、彼の怒りがそうさせているのか分からない、……けれど、どんどん逆上していく栗栖さんにハラハラして……。


「∞▼βΩα■〼卍凸★凹@ω!!!!!!」

「……何を言ってるか、わからないですよ?」


 怒鳴りながら、拳を真間さんに思い切り振り下ろして来て、寸で避けた真間さんが、更にあおる。


「お前、弱っちいクセに、生意気なんだよ!!!」


 一歩下がった真間さんが、後ろ手に握った私の手を離して、自分から離れるようにポンと押して来た。

 えっ?

 後ずさる私の目の前で、栗栖さんの振り下ろされた拳が、真間さんの頬をとらえて…―――

 あっ……。

 ドッ!! と彼の頬を打ちつける音に、私は、怖くなって息を飲んだ。


「―――…イッテ……」

「……真間さんっ!?」