次の木曜日…――
「氷室さん、先行ってるから」
「は、はい! すぐ行きます」
うわぁ、今日の夕方当番、小山内さんとだ……。あわてて準備をして、私は、先を行く彼女の後を追った。
今日は、アンラッキーディ、無言で四時間を過ごさなければならない。小山内さんは、私にイジワルしてくる人たちの中でNo.3くらいの人。こんな夕方の受付当番に、回されることなんて、ほとんどない先輩なのに……。
と、取りあえず、無視されても会話を振ってみよう。
「め、めずらしいですね、小山内さんが夕方の受付当番だなんて……」
「……」
し~ん、やっぱり無視かぁ。この調子で四時間はキッツイな……。お客様、いっぱい来ないかしら。
「……氷室さん」
えっ!?
「はい?」
突然、小山内さんに名前を呼ばれて、返事する声が裏返ってしまった。


