氷の華とチョコレート


「飲み物はどうしますか?」

「オレは、アイスコーヒーで」

「私は、ホットの紅茶でお願いします」

「ポットだから、アイスコーヒーと一緒でいいですか?」

「はい」


 あかりさんが下がると、窓の外を見ていた真間さんが、「この席、景色が良く見えて、いいね」と、いつもとは違う笑顔で呟いた。


「真間さん、ランチ食べたら、どうしますか? ……帰りますか?」

「ん~、せっかくだから、ショッピングモール見て行かない? 氷室さんも久しぶりでしょ?」

「……」


 確かに、栗栖さんと再会してから、一度も行っていない。どちらかと言うと、平井さんにも荒谷さんにも、行かないように言われていたので、つい言葉だけで固まってしまう。


「……だ、い、丈夫でしょうか?」

「ホント、……大丈夫にしたいよね」

「……?」


 言い回しがヘン? また真間さんが、何かに怒っているような気がした。