氷の華とチョコレート




「久しぶりだね~、二人とも元気だった?」
「エイキ、すごい! 振られてなかったんだ?」


 いらっしゃいませもそこそこに、『赤い屋根の小さなお家』のドアを開けたら、友さんとあかりさんに大歓迎されてしまった。今日は、スイーツバイキングの日ではなく、お客様もチラホラと楽しそうにランチを食べている。


「何ですか、いらっしゃいませの前にソレって……」

「アハハ……、この前のがぎこちなくて心配してたんだよね~!」


 憮然とする真間さんに、友さんは笑って窓際の席を案内してくれ、メニューを差し出した。


「美羽さんもハイ、メニューどうぞ、今日は通常ランチだから」

「ありがとうございます、スイーツバイキングは毎週じゃないんですね?」

「アレ、結構たくさん作らなきゃいけないから、第一と第三だけの特別なんだよ、良かったらまた来てね」

「はい」


 友さんとお話するだけで、元気をもらえた気持ちになれた。


「何にする?」

「……ん~」


言われて、もらったメニューに視線を落とす。