スーパーで鍋の材料を買って、真間さんのマンションへ帰る。順番にお風呂に入り、私はその合間に鍋の準備を終えておく。
真間さんは、本当に嬉しそうに、「美味しい、美味しい」と食べてくれて、会話も弾んでいた。
リヴィングの小さなローテーブルに鍋を置いて二人で食べるご飯は、いつもデートで食べる夕食より、真間さんと距離が近い感じがして嬉しかった。
「明日の日曜日だけど、久しぶりにデートしない?」
シメのおうどんをよそっている時に、デートに誘われた。
嬉しい、けれど出歩いていいのかしら? と言う気持ちが頭の中に浮かぶ。
「……大丈夫でしょうか?」
「すっと、出歩けてないのも辛いでしょ? 明日は、一応オレも一緒だし、息抜きがてら『赤い屋根の小さなお家』でご飯でも食べない?」
不意に、頭の中に友さんとあかりさんの顔が浮かぶ。初めてのデート以来会っていないから、お会いしたいな……。


