氷の華とチョコレート


 ただのデートの時には、見せていなかった部分を見せてもらえているのは、嬉しい事なのだけれど、前に聞いた睡眠三時間を思い出して心配になってしまう。今は、更に私の事で色々してくれているのが凄いと思うし、申し訳ないとも思っていて……。


「終わったよ? 行こうか?」

「! はい」


 コーヒーショップを出て、そのまま近くのスーパーへ向かう。


「その荷物、家から持って来たヤツ?」

「そうです、少しかさばってしまいましたが」

「持つよ? スーパーで色々買うんでしょ?」

「……ありがとう、ございます」


 仕事帰りに一緒にスーパーで食材を買い物して、同じの家に帰ると言うのが、初めてで何だか気恥ずかしい。
 

「今日は、何を作るの?」

「……簡単ですぐ食べられるように、鍋にしようかなと」

「鍋? ……中々一人じゃ食べられないから、すごく嬉しい! ……まぁ、彼女の手料理なら何でも嬉しいんだけどね」

「……!?」


 ま、満面な笑顔が可愛過ぎて、危険レベルだ。顔がどんどん熱くなってくる……。それに、申し訳ない気持ちが重なって……、胸が痛いくらいです。

 真間さん、鍋くらいじゃ手料理とは、あまり言えないんですよ?

 いつか、色々作ってあげよう……。