真間さんの出張を挟んで土曜日の夜…―――
色々考えて、家から持ってきた紙袋一式が少し重い。会社近くの待ち合わせ場所のコーヒーショップに入ると、ノートパソコンを広げて電話をしている真間さんを、店内の奥に見つけてそちらへ行く。途中で気付いた彼が、電話したまま手を振ってくれた。
「早かったね」
「土曜日は当番制なので、いつもよりは早く上がれるんです」
ちょうど前の席に座る頃合いで、電話が終わった真間さんが、ふんわりといつもの笑顔で迎えてくれた。
「ちょっと待ってね、このメール返したら終わるから」
「はい」
飲み物とか買った方が良かったかしら? 時間的には、すぐ出るから飲む気分ではないのだけれど……。
目の前に座ってメールの文章を打っている真間さんをぼんやりと見てみる。数日間泊まらせてもらっただけでも、忙しいんだなとわかるくらい、電話とパソコンでの作業を頻繁にしていて、営業さんだからか、社外でのそう言う作業が多いと思った。


