「証拠は多い方がいいんだそうです、ケージがやる気出してるって言ったでしょ？ 住人の苦情の声も入れられたし、思ったより色々出来そうだよ？」
「……」
そう言って笑う真間さんの顔は、いつものふんわりとしたものではなかったので、心配になってしまった。
「……あの、あまり無理しないでくださいね」
お仕事も忙しいのに、今もだけど迷惑をかけ過ぎている自分が、心苦しくなっていた。
「今無理しないで、いつ無理するの？」
「えっ？」
「もう少し、甘えてくれると嬉しいんだけど？ オレじゃ頼りないかな？」
えぇっ？ とんでもない！ 自嘲的に笑う真間さんに驚いて、私は、あわてて頭を横に振る。
「そんなんことは全然ありません！ それに私、じゅ、充分、甘えすぎていませんか？」
「……そうなの？」
きょとんとした顔で、私を見る真間さんに、私は力いっぱい頷いた。
「そうです！」
「……？」
「……っ」
「……そっか、氷室さんが、そう思うなら仕方ないね？」
なぜか嬉しそうに、くすくすと真間さんは笑って、また私をふんわりと抱きしめた。
