「ただいまぁ～」
と言っても誰もいないけど。夜、家に帰って、真間さんからもらったお菓子の包みを開けると……。
「わぁ、可愛い……、終わったら何入れよう」
丸いピンク色のガラスの器に、一つずつ包まれたお菓子が入っていた。
「キャンディかな？」
中身を開けて見てみると
「チョコレート……」
私は、それを頬張って、コレをくれた人の淡いチョコレート色の瞳を思い出す。口の中のチョコレートみたいに、甘～く、ふんわりとした笑顔とスマートな言葉使い。
「どうせなら、真間さんみたいな人と恋が出来たらいいのに……」
なんて、あんな素敵な人に彼女がいないわけないわよね？ はぁ～、ため息ついでに、もう一つ食べようとガラスの器に手を入れた時。
「ん？」
手に、チョコレートじゃない何かが触れた。
