「実は、真間さんのお友達だから仲良くなりたくて、……色々話しかけようとしていたんですけど、上手くいかなくて…―――」
荒谷さんに見られると困ると言われた所から、人参だと思ってください！ のくだりまでを話すと、真間さんは「それだ！」と言って、しばらくの間笑ってお話出来なくなってしまった。類は友を呼ぶ？ のかな？ 二人はやっぱり似ているんだと思った。
「それでだったんだね？ 納得したよ、……本当に氷室さんは、目が離せない人だね？」
「目が離せない人？」
とは、どういう意味だろう？ 困ったように笑う真間さんの顔からは、あまりいい事ではなかった印象を受ける。荒谷さんと仲良くなろうとするのは、真間さんにとっては嬉しくなかったと言うことかな？
「……」
少し困惑した私の表情で、察した真間さんが、更に困ったように私の肩を引き寄せて、コツンと頭を私に引っ付けて言う。
「……ケージが、あんな風に数時間で心を開く事がないヤツだったから、正直焼きもち焼いています」
えっ？
