氷の華とチョコレート


「一度起きたんだったら、ご飯食べる? 買ってきたので申し訳ないけど」

「……」


 ふんわりとした彼の笑顔を見て、記憶がだんだんと繋がって来る。自分がパジャマな事に気付いて、あわてて掛け布団を引き寄せてかぶった。


「……寝かせてくれて、ありがとうございます」

「ちょっと待ってて?」


 と、部屋に入って真間さんは、クローゼットを開けてモコモコのパーカーを出してくれた。


「コレなら着替えなくても、大丈夫だよ? オレでも大きいし、……ご飯は食べられそう?」

「……はい、ありがとうございます」


 モコモコのパーカーを着ると、本当に大きくてワンピースくらいの丈だったのでパジャマをカバーしてくれていた。真間さんの買ってきてくれた、スープ屋さんのスープとデリを食べながら、寝る前に言っていたお話と説明を聞いた。