氷の華とチョコレート


「……ちゃんと、シーツとかは代えたから、安心して?」

「!? そう言うのではありません」


 戸惑った私を見て、真間さんが申し訳なさそうに言うから、思い切り反応してしまった。


「……私が、ここを使わせてもらったら、真間さんは何処で寝るんですか?」


 家具を置かないようにしているこの家に、もう一つベッドなんてないだろうし。


「あぁ、そこのソファで寝るから大丈夫だよ?」

「じゃあ、わたしがそこで寝ますよ?」


 真間さんより、身体が小さい分ソファでも大丈夫だろうし。真間さんだって、連日の出張の帰りで疲れているはず。


「ダメ! こっちから提案しておいて、彼女差し置いて自分だけベッドで寝るとか、絶対出来ないんだけど?」

「……」


 中々の勢いで言われてしまった、えっと? 合理的とか言う問題ではなかったみたい、だ……。


「とりあえず一度寝て? もう限界でしょ? ……寂しかったら寝るまで近くにいるけど?」

「……っ!?」