氷の華とチョコレート


 何日か泊まると言うから、ご飯を作った方がいいのか悩んでいたけれど、長期出張の帰りでもあるし、冷蔵庫に食材は入っていなさそうだ。一応冷蔵庫を開けてみると、ほとんどお酒とお水とスポーツ飲料だけだった。

 月の半分は出張だと言っていたからもあるけれど、男の人の一人暮らしなキッチンだった。

 ご飯、どうしようかな? 買うなら調味料からだし、……自分の部屋から、色々持ってくればよかったかしら?

 とりあえず二、三日とは言っていたけれど、ずっと外食と総菜系では身体に悪いし。

 とりあえず、真間さんに色々聞いてみてから考えよう。


「氷室さん、いいよ?」

「はい?」


 呼ばれて行くと、リヴィングの隣の部屋は、真間さんの寝室だったみたいで、その部屋にはシングルタイプのベッド一つとクローゼットがあるだけだった。


「とりあえず、少しここで寝て? 話は起きてから色々説明もあるから」

「……ありがとう、ございます」


 でも、ここって真間さんがいつも寝ている所なのではないでしょうか?