「あ、あのっ、……どうして真間さんの家に泊まりなんですか?」
二時間後…―――
戻って来た真間さんに、私は意を決して聞いてみた。
一応言われた通り、三、四日泊まれる準備と会社へ行く服などをスーツケースにまとめたけれど、納得はさせて欲しい。
「うん、そうだねとりあえず、タクシーの中で説明するから乗って?」
駅から彼が乗って来たタクシーのトランクに、私の荷物を載せ、そのままタクシーで真間さんのマンションへ向かう。
「KEYから、……イヤ、ケージから平井さんの住むマンションに、栗栖さんらしき男が現れたって聞いてるよね?」
ドキッ、と心臓が嫌な音を立てた。それのおかげで、心の奥にあった不安があふれて、眠れなくなったと言っても過言ではないので、緊張してしまう。
「……はい」
「階は違うけど、オレも同じマンションを借りてるんだよ? それで、せっかく現れてくれたのに、氷室さんを一度も見かけないと住んでいるのか怪しまれるでしょ?」
「……住んでいると見せかける為、ですか?」


