氷の華とチョコレート


「すみません、まだ私パジャマで……」


 どうしよう、待っててもらう? 別の所で待ち合わせる? 二週間ぶりに、わざわざ会社に戻る前に会いに来てくれたのに、自分のダメな理由で出直させるってどうなの?


『……横になってたって、調子悪い?』

「えっと、……少し、眠りが浅いみたいで」

『……』

「……」

『コート羽織って一瞬でいいから、無事だったか顔が見たかったんだけど?』


 その顔が、色々ヤバいんです……。

 どうしよう、真間さんにこんなに心配してもらっているのに、申し訳なくて、クマだとか寝不足だとかもう言ってられない気がしてきた。


『……氷室さん』

「はい」

『オレ一応、二週間ぶりに会う彼なんだけど?』


 それは重々承知しております。


『……会いたかったのって、オレだけ?』

「そんなこと全然ないです! 会いたい、です……」

『……じゃあ開けて? このままだとオレ、不審者だよ』

「∞●×△◆◎〒▼÷□~」


 もうダメだ。私は急いでロングのダウンと近くにあったものを羽織って、玄関のドアを開けた。