氷の華とチョコレート


 転がっていたら、少しは眠れるかもしれないし。ご飯を食べる気力もない。

 ボーッとしながら、色々なことが頭をめぐってゆく。

 この前の荒谷さんとのやり取りや、小山内さんに私の事を頼んでくれた平井さんのこと、菜摘と暁陽との作戦やはげましの言葉たち。

 うとうとと出来たり、出来なかったり、頭の中で考えていることが、現実なのか 、夢なのかどんどん区別がつかなくなってゆく……。

 あんまり眠れていないから、頭も痛くなってきた。


『やっぱ変わったな……、前はもっと従順で、可愛かった』

 !?

 不意に、思い切り手首をつかまれて、強く引っ張られる感覚と、栗栖さんのイラッとした冷たい声に、ビクッとして起き上がる。


「……っ」


 息が、上手く出来なくて、呼吸が荒い。 つかまれた感覚の残る手首には、もう痕はない。

 大丈夫、ダイジョウブ……。

 自分の身体をギュッと抱きしめて、ゆっくり深呼吸した。


「今、何時?」


 時計を見ると14時を過ぎていて、さすがに何か食べなければ、明日仕事に行けなくなってしまう。