氷の華とチョコレート


「……」


 真間さんと付き合っていることが、会社の人にバレていることに、急に恥ずかしくなり、私は黙ってうなずいた。


「ヘンな男にストーカーされてるんだって? 会社に来たら助けてやってくれって、平井さんに頼まれたわよ? 美人は大変ね、取り合えず一時間でも寝て回復して頂戴、土曜だからおおめに見てあげるわよ?」

「……」


 ストーカー? そう言う事にしてくれているんだろう。荒谷さんといい、平井さんといい、真間さんの周りの人が私を助けようと動いてくれている。彼が遠くにいても、ちゃんと守ってくれているんだと実感が湧いてきて、泣きそうになってしまう。


「……ちょっと、泣いてる暇があったら、少しは寝なさいよ? キレーな顔が台無しよ」


 今日は、憎まれ口さえ優しいと感じてしまう。これは平井さんのおかげだな……。


「……すみません、ありがとうございます、ミルクティ頂いてから寝ます」


 私は、頂いたミルクティを飲んで仮眠をとった。少しの時間だったけれど、夢を見た。

 雨が降っていて困っていたら、傘をさしかけてくれた人がいた。よく見ると私が前に貸した少し古くて青い折りたたみ傘で、それを手にした真間さんが『こんな所にいたの? はやく帰ろう』と笑って、二人で傘に入りどこかに帰る。そんな他愛もない夢だった。

 夢の中で会えたからだろうか? 目が覚めて、不思議とスッキリとすることが出来た。