氷の華とチョコレート


 KEYさんはきっと、今私を傷つけたなんて、夢にも思っていないんだろうな。

 それでも、真間さんのお友達と言うだけで、仲良くなりたいと思う気持ちは、なくなっていなくて……。どうすればお話してくれるんだろう? なんて言えば私の、顔だけではない部分を見てくれるだろう? と考えてしまう。


「……」


 ふと、キッチンの台に置かれたジューサーの横に、毎朝飲んでいる生ジュース用の果物と野菜が目に映る。そうだ、コレなら見てくれるかしら?


「KEYさん、私のことを、あの人参だと思って喋ってください!」


 それなら、気にしないで喋ってもらえるんじゃない?


「はっ? ……にん、じん?」


 KEYさんは、私が指さした人参をみてから、呆然と私を見つめ、数秒後、我慢できないと言ったようにブハッと吹き出して、しゃがみ込んでしまった。

 どうやら人参ではダメだったらしい。


「み、美羽? ……ナニいきなり、やめて! ……く、苦しい……」


 見ると、ななめ後ろにいた菜摘まで、お腹を抱えて笑っていた。