氷の華とチョコレート


「これだけ……、どうする?」

「……」


 平井さんは、少し考えて、おもむろにスマホの画面を入力して、こちらに見せてくれた。


『氷室さんの部屋を特定されないように、コレは俺が持って帰るから。あと、尾行されてると面倒だから念のため、今日は友達の部屋に泊まってもらいたいんだけど、暁陽くん以外の女の子の友達はいる?』


「それなら、菜摘がそろそろ帰って来るから、家で大丈夫です」

「……いいの?」

「何のための友達だよ? 頼れバカ」


 あぁ、ボサボサ頭の暁陽が、カッコよく見えてくるよ……。


「……ありがとう」

「同棲してるんです、相方もコイツの友達なんで、いつも泊まってるから大丈夫です」


 暁陽は、真っ直ぐ平井さんを見て言った。


「そう、じゃあよかった」


 ホッとした顔を見せて、平井さんは、またスマホに何か打ち始めた。