「……取り合えず、状況はわかったから挨拶させて?」
「うん」
席に戻ると、暁陽が平井さんを真っ直ぐに見て、頭を下げた。
「鈴木さん、美羽の事を助けてくれて、本当にありがとうございます、助かりました」
「いいえ、たまたま通りかかって良かったです、まさか可愛い後輩の彼女が、連れ去られそうになっているとは……、ビックリして二度見したよ」
「……本当に、助かりました」
暁陽の顔は、もの凄く真面目だった。あの時の事を、思い出しているのかも知れない。
「……君は、彼女の友達?」
「はい、浦辺暁陽と言います、美羽を連れて行こうとしていた男も含め、学生時代の同じバイト仲間だったんです」
「なるほど……」
「暁陽は、栗栖さんの事情も含めて、心配して助けてくれる友達の一人なんです」
「これは、あいつが聴いたら誤解しそうだね」


