栗栖さんが現れたと言う、事情を説明すると、菜摘は今実家に行っていて、地方なので来れない事を悔しがっていた。家でのんびりしていた暁陽が、急いで来てくれることになった。
同じく、どこかに電話をしに行っていた、鈴木さん? が、電話を終えて、コーヒーショップの、私が座る席の前に戻って来た。
「友達に連絡は付いた?」
「はい、これから来てくれます」
「それは良かった、俺も一人呼んでおいたから」
一人? 誰だろう? 出張中の真間さんが来るワケないよね?
「取り合えず、これ見て?」
目の前に座る彼が、スマホの画面を見せて来たので、私はそのまま覗き込んで読んだ。
そこには……。
『真間と俺の本名は言わないで? 多分、盗聴器を入れられてると思う…―――』
背筋が、ㇲッと寒くなった。
えっ? どう言う事? ……何で、この人はそんなことを知っているの?
彼は、画面をスライドさせて、次の文章を見せてくれた。


