片思いの相手に偽装彼女を頼まれまして

「なんで? 先輩と朝霧さんが?」

 後輩は野次馬根性というより、純粋に疑問なのだろう。私と誠の顔を交互に確認すると、こう結論付けた。

「あぁ! もしかして休日出勤って朝霧さんと一緒? そうならそうだって教えて下さいよ! アタシが朝霧さんに憧れてるの、先輩は知ってますよね?」

 サッと誠の隣へ移動。そして、呆気にとられる私をそのままにして自己紹介をする。

「アタシは笠原っていいます! 朝霧さんの営業部での活躍、凄いです! ここでお会いするなんて何かの縁ですよね? 良かったら連絡先の交換しません?」

 あまりにも積極的な振る舞いをされ、私は言葉を生み出せない状態が続く。

 その一方、視覚から得る情報量は沢山だ。
 誠と後輩が並べばーーまさに美男美女。この2人は恋人同士と言われたら納得してしまいそう。

 いったん後輩の内面は置いておく。後輩は自分を魅力的に映す術を使いこなす。スカートに見覚えがあったのもセンスが良いから。
 私の着るワンピースは彼女に影響された部分もある。

「本当はアタシが休日出勤するはずだったんです。でも先輩が代わってくれるって言ってくれて。実は先輩も朝霧さんに憧れてるんですよ?」