俺様同期の溺愛が誰にも止められない

「コーヒー淹れるから、座っていてくれ」
「うん、ありがとう」

再び部屋に戻って来るまでに、強引にでも逃げだすことはできた。
いくら影井でも力づく止めることがしなかっただろうと思う。
でも、酔っぱらって迷惑をかけたのは事実だし、昨日の荷物もいまだに影井の車に乗ったままになっているから、私はおとなしく影井についてきた。

それにしても広い部屋。
リビングだけで私のアパートがすっぽり入ってしまいそう。
壁付けの薄型テレビに、何人座れるのだろうってくらいに大きなソファー。
そして壁一面の窓からは温かな日差しが差し込んでいる。
お日様に誘われるように、私は窓に近づいた。

「う、うわあー」
無意識のうちの絶叫。

凄い、凄すぎる。
高層マンションの中でも最上階の部屋だとエレベーターの中で確認したからわかっていたはずなのに、実際に大阪の街を見下ろす景色を見て驚いて、そして感動した。

「フッ、やっぱり叫ぶのか」

コーヒーを持って現れた影井が、笑っている。