俺様同期の溺愛が誰にも止められない

なぜか再び、影井のマンションに逆戻り。
昨日来た時は酔っぱらっていてわからなかったけれど、大阪駅から徒歩圏内で立地も抜群の40階建て高層マンションはいかにも高そうなオシャレな造り。
建物に入るとフロントがあり24時間対応のコンシュルジュカウンターに数人のスタッフが常駐している。

「凄いわね」
「今更?」

確かに。
昨日来た時も今朝出るときもここを通ったはずなのに、昔から一つのことに集中すると周りが見えなくなる傾向のある私はこのマンションの凄さに気が付かなかった。

「もしかして、部屋にはいったら『凄い部屋ね』『凄い景色ね』なんて言うつもりじゃないだろうな?」
「それは・・・」

ううーん、言いそうな気がする。
実際影井の部屋の印象って、寝室の広くて真っ白な天井くらいしかないもの。

「何ならルームツアーでもしてやろうか?」
「結構です」

本当に意地悪な人。
だから、影井は苦手なのよ。

「ほら、行くぞ」

待っていたエレベーターが来て影井が中へと入って行く。
逆らうことのできない私も後ろから続いた。