俺様同期の溺愛が誰にも止められない

人間の体の中にある血液には限りがあり、輸血をしない限り一定量を超えて出血すれば死んでしまう。
目の前の素晴は着ていた白衣の全身が血で覆われていて、生命維持に必要な血液以上の出血をしているように見える。
ということは・・・

「早く輸血をしないと、それよりも出血源を精査して止めることが先だわ。とにかく早く診察しましょう」

辺りを見回しても、血まみれの素晴が一番重症に見える。
このままでは本当に素晴が死んでしまう。

私はボロボロと泣きながら、「素晴死なないで」と叫び続けた。
この時の私には周囲を気にする余裕も、冷静に判断する思考力もなかった。
ただ素晴を失いたくないその思いだけだった。

「碧」
とっても愛おしそうに私の名前を呼びそっと頬をなでる素晴の掌が、とても暖かい。

ん?

この時、私は違和感に気が付いた。