俺様同期の溺愛が誰にも止められない

「どうした、円先生は放っておいていいのかい?」

素晴が怒っているのは承知しているはずなのに、呑気にさえ聞こえる高杉先生の声。
それはまるで素晴を挑発しているようだ。

「手を放してください」

敬語は使っているものの、鋭い視線で睨みつける素晴はいつもと様子が違う。

「素晴、やめて」

あまりにも険悪な空気に、私は素晴を止めた。
普段からあまり感情をあらわにしない素晴が、ここまで怒るのは本当に珍しい。
この病院に来て日の浅い高杉先生にはわからないだろうけれど、これはかなり危険だ。

「碧、お前は一体何をやっているんだよ」

今度は私の方を向いて呆れたように言う素晴だが、叱られるのは私ではない気がする。
だから、私はその場を動こうとはしなかった。