俺様同期の溺愛が誰にも止められない

救急での騒動から10日。
想像していたよりも周囲は穏やかで、落ち着いている。
いつもどんなときにも私のことを彼女として扱ってくれる素晴の態度に周囲が慣れた感じで、誰も何も言わなくなった。

「水野先生、お疲れ様です」
「お疲れ様です」

お昼の休憩時間。
食堂で休憩する私の横をスタッフたちが笑顔で通り過ぎていく。
つい一カ月前、素晴と私の関係が知れた時には挨拶もしてもらえなかったのに、最近は元の状態に戻った。

「いじめは終わったらしいわね」
「うん」

ちょうどランチを手にやってきた優紀が、私の向かいの席に座った。

「出るくぎは打たれるけれど出過ぎたくぎは打たれないって言うからね、影井の溺愛が周囲にも伝わったってことじゃないの」
「そうかもしれない」

確かにそうだと私も思ている。