俺様同期の溺愛が誰にも止められない

これでまたしばらくは私と素晴の噂で賑わうことだろう。
出来るだけ静かに過ごしたい私としては不満ではあるが、どうすることもできない。

はあー。
一通りカルテ入力を終えたところで、ついため息が出た。

「随分思いつめているね」
「ええ、まあ」
高杉先生の前とはいえ取り繕う気力もなくて、私はうなずいた。

「日本の女性はおとなしくて、従順な人が多いからね」
「そうですね」
きっと患者のことを言われているのだろうと返事をしたけれど、これは私のことでもあるのだろう。

「自分の意に反することや、嫌だと思うことははっきりと言うべきだと僕は思うよ」
「・・・」

それができれば苦労しない。
さすがに反論はしなかったが、「そうですね」とは言えなかった。