俺様同期の溺愛が誰にも止められない

「そう言えば水野先生、レントゲン撮っても大丈夫ですか?」
思い出したように聞いてきたスタッフの含み笑い。

「え?」

私は意図がわからず一瞬ポカンとしたけれど、すぐに理解した。
これは妊娠の可能性はないかって聞かれたのだ。
若い女性がレントゲンを撮る時には必ず聞くことだが、それが職場の仲間だとなれば多少の恥ずかしさはある。
しかし答えないわけにはいかないだろうと口を開こうとした時、

「大丈夫です」
素晴が答えてしまった。

「「ええ?」」
当然のように周囲がざわつく。

そりゃあそうだよね。
これでは私と素晴の関係を公言したようなものだ。
そう思いながら、私は耳まで真っ赤になった。

「大丈夫か?顔が赤いぞ」
「誰のせいよ」

耳元でささやく素晴を睨み返したものの、こんなことで怯む人じゃない。
私は諦めて下を向いた。