愛する人と暮らす初めての日

　寝室に入り、扉の前から動かないリーベをベッドに寝かせる。
　彼女が布団に入ったのを確認して寝室を出ようとすると、いつの間にか体を起こしたリーベに呼び止められる。


「リュカどこに行くの？」

「ソファで寝ようと思って」

「一緒に寝ないの？」


　先程までは忘れていたが、いざ寝ようと思うと彼女の裸を見てしまったことを思い出してしまった。
　なので今日は一人で寝ようと思ったのに、彼女が寂しそうに尋ねてくる。


「二人じゃ狭いだろうし、リーベもゆっくり休めないかもしれないから」

「なら私がソファで寝る。リュカはベッドで寝て」


　もっともらしい理由を述べたのに、彼女がベッドから出ようとする。


「いや、リーベはベッドで休んで」

「私はソファでもぐっすり寝れるから、リュカがベッドで寝て」


　そんなやりとりを何度かする。
　どうしたら、彼女がベッドで寝てくれるだろうか。


「リュカが一緒に寝てくれないなら、私がソファで寝る」


　痺れを切らしたのか、彼女がそう言う。

　本当は一緒に寝たい。
　けど、隣で彼女が無防備に寝ている姿を見て我慢出来るか分からない。

　明日になったら流石に気持ちを切り替えられているだろうから、今日だけは別に寝たい。

　すると悲しそうな彼女の声が聞こえる。