にこにこと笑顔を浮かべる彼女と手を繋ぎ、食堂へと向かう。


「ここの掃除をするの？」

「そうだよ。キッチンの方はもうやってくれてるから、俺達がやるのはテーブルと窓拭きと床掃除だ」


　きっと彼女は何を使うか分からないと思うので、掃除用具は俺が用意しようと素早く一式を揃える。


「それじゃあリーベにはテーブルを拭いてもらおうかな。はい、これつけて」


　彼女に掃除用の手袋を渡す。
　リーベが不思議そうになんで手袋？と尋ねてくる。


「多分大丈夫だろうけど、リーベの手が荒れたら嫌だから」

「私は大丈夫だよ？」

「念の為に、ね？」


　万が一にでも彼女の手が荒れたら可哀想なので、というよりも俺がリーベに痛い思いをしてほしくない。

　俺がお願いすると彼女は手袋をしてくれる。
　これで彼女の手が荒れる心配はなくなったと安心する。

　リーベに濡れ布巾を渡し、拭き始めたのを確認してから俺も掃除に取り掛かる。