「私のこと覚えてくれたのね。嬉しいわ」

「昨日はお風呂に入れてくれてありがとうございました」

「どういたしまして」


 彼女の頭をキャロルが撫でる。
 リーベは俺が撫でたときのように喜んでいる様子ではないが嫌ではないらしく、それを受け入れている。

 俺もキャロルに礼を言っていなかったのを思い出す。


「俺からも礼を言うよ。風呂に入れてくれたのもだけど、リーベの服と靴キャロルが用意してくれたんだろ? ありがとう」

「なんてことないわよ。備品庫から持ってきただけだし。時間があったら、もっと可愛いの用意してあげたんだけどね」

「お前たち世間話をするなら、まず頼んでからにしろ。後ろがつかえてる」


 少尉の言葉にキャロルと二人で謝る。
 俺と少尉はステーキを、彼女は何を頼もうか悩んだ結果、キャロルと同じたまごサンドウィッチとサラダのセットにしていた。