「ただいまぁ…」

大量の漫画本を抱えて帰宅すると、

「おかえり…って、どうしたの?その荷物」

玄関まで迎えに来たちーちゃんは、ギョッとしている。

「ちーちゃん、手伝って…」

「運ぶ?リビングでいい?」

「そうじゃなくて、こんな表紙からして胸焼け起こしそうな漫画、一人で全部読むのはとても無理だから、分担してほしいの」

一緒に夕飯を食べながら、少し仕事の愚痴をこぼす。

「そっか。ぴーちゃんをホステス代わりにする男に比べたら、まだ害がないかと思ったけど…子供でも面倒な子はいるんだね」

「相手はお客様だからね。どんな人でも邪険にすることも出来ないし。今は時代も変わって、生徒さんのご機嫌取りも仕事のうちで、時折、嫌にもなるわよ…。昔は、厳しい先生なんて当たり前だったけど」