クロマティックドラゴンは
5つの属性を持っている。
炎・氷・雷・水・土のそれぞれの頭が
1つの体から伸びている。

うねうねと動いて、
いつ攻撃してくるのかと
ひやひやした。

メンフィリアの王の側近ルァントは、
右手を天高くかざした。

レクエペはアクアマリンから出した
ホワイトドラゴンに攻撃の指示を出す。
敵全体に『冷気のブレス』で攻撃した。

案の定、氷と水属性の
クロマティックドラゴンは回復していた。
他の炎・雷・土の属性には、大きなダメージを
与えることができたが、まだまだのようだ。

「今度はこちらからだ。」

『スパイラルコメット!!』

宇宙の空からそれぞれの属性を
持つ隕石がフィンレーたちに
襲いかかる。避けきることができない。
大幅なダメージを受けた。

みな、
体が床にはりついたように傷だらけになる。

ドラゴンとオピンニクスの
召喚獣たちも傷を負った。
ドリュアデスはまだ出してなかったため、
けがをしなかった。

ソフィアはみんなの体力を回復するため、
今こそ、ドリュアデスを召喚させた。

「私に任せなさい。」

味方全体に回復魔法をして、
どうにか体力を保つことができたが、
次のターンは
クロマティックドラゴンだった。

「もう君たちの力は
 耐えられないだろう。」

『メテオ!!』

さっきのスパイラルコメットよりも
激しくそして大きい隕石が降り注ぐ魔法
だった。

フィンレーたちは太刀打ちできずに
HPが0になり、戦闘不能になった。

唯一の回復魔法を使えるドリュアデスも
倒れてしまった。


「連れて行け!!」

真っ暗な服を着たルァントの手下たちは、
フィンレーたちを次々と王座の間の奥の部屋に連れて行かれた。

奥の部屋は異次元の世界でどこに繋がっているかは分からなかった。

近くで一部始終の様子を見て
悔しそうな顔をしているスカーレットも、
ロープで繋がれたまま、連れていかれる。


◻︎◻︎◻︎



目が覚めた。

真っ暗闇の中から目覚めたような
そんな感覚だった。

フィンレーは、体を起こした。

そこは、洞窟の中の監獄だった。
鉄格子がある。
約12畳ほどの広さだった。
トイレと蛇口があった。

硬かったが一応はベッドに
寝かせられていた。

両手には手錠。
足にも鉄の玉がついていて
動きにくくなっている。
服装は囚人そのもの。

持っていた鎧や、盾、剣は、
無くなっている。

「ここは一体どこなんだ。」

鉄格子に手をかけて、
外の様子を見る。

ソフィアやレクエペ、ケラットは
いなかった。

別部屋にいるのだろうか。

階段の出入り口付近に
うたた寝をしている兵士が1人いた。
監視役なんだろうか。

辺り全体を見渡す。
少し肌寒く、暗い。

小さな窓から夜空が少し見えていた。

しばらくして、
階段をおりてくる
足音が聞こえてきた。

重く低い音だ。
図体の大きい男かもしれない。
たいまつの光も見えた。

その姿を見て、
フィンレーは息をのんだ。