王子様を落とし穴に落としたら婚約者になりました ~迷惑がられているみたいですが、私あきらめませんから!~

「わたくし、殿下には同情しておりますのよ」

「……は?」

 いきなりなんだと、ライオネルは怪訝がった。

 振り向けば、パトリシアは憂いを帯びた表情を浮かべている。

「毎日毎日、エイミー・カニング様に追いかけまわされているでしょう? いつもお疲れのご様子ですし……今日も顔色が悪いですわ。きっとエイミー様のせいね」

「いやこれは……」

「かばわなくて結構ですわ。殿下はお優しい方だと知っておりますけど、わたくしの前では本音を言ってくださってもよろしいのよ」

(何を言っているんだこの女は……)

 ライオネルはますます訝しんだ。