王子様を落とし穴に落としたら婚約者になりました ~迷惑がられているみたいですが、私あきらめませんから!~

 ガラス窓の向こうの空は、灰色の雲が覆っている。

 クルスデイル国は、夏に雨が多い国である。来月の六月はまだましだが、だんだんとこのように天気の悪い日が増えるだろう。

(憂鬱だ)

 ウォルターの言った通り気圧の影響で頭が痛くなるライオネルは、天気の悪い日が嫌いだった。特に嵐の日は最悪だ。頭が割れそうに痛くなるのである。

(そういえばあと少しで六月か。モモンガが生まれた月だな)

 エイミーは六月生まれだ。毎年六月のはじめに誕生日パーティーを開いては、ライオネルも駆り出される。

 ライオネルはエイミーの誕生日など祝ってやりたくなかったが、父と母がうるさいので仕方なく出席しているのだ。

(気が乗らんがプレゼントを用意しておかなくてはな)

 プレゼントを持って行かなければ、あの頭のおかしいエイミーは「プレゼントはキスでいい」とか意味不明なことを言い出すのだ。