「エイミーは子供のころからああなのか?」
エイミーの音痴に関することで何か情報を得られないだろうかと訊ねると、パトリックが言いにくそうに頬をかいた。
「ええ、まあ。三歳くらいのときからああですね」
「何故直さなかったんだ」
「直さなかったのではなく直せなかったんですよ。うちの妹はある意味天才肌で、一度覚えたことは絶対に忘れないんです」
「……は?」
「つまり――」
パトリックによると、エイミーの音痴の原因を作ったのは、彼女の乳母のせいらしかった。
と言うのも、小さいころにエイミーに歌を教える際に、音階と言葉をセットにして教えたらしいのだ。
例えば「あ」であれば「ソのシャープ」と言うように、それぞれの音階に音を当てはめたのである。
そして何故かエイミーは、音階と言葉のセットをまるまる記憶してしまい、どんなに修正しようとしても、歌を歌えば「あ」は「ソのシャープ」と言うようにその音を発するようになってしまったとのことだった。
まさか乳母もこんなことになるとは思わずに、何度も何度も直そうとしたらしいがどうしても無理だった。
ゆえに匙を投げた両親は「人前では決して歌うな」とエイミーによくよく言って聞かせたらしい。
エイミーの音痴に関することで何か情報を得られないだろうかと訊ねると、パトリックが言いにくそうに頬をかいた。
「ええ、まあ。三歳くらいのときからああですね」
「何故直さなかったんだ」
「直さなかったのではなく直せなかったんですよ。うちの妹はある意味天才肌で、一度覚えたことは絶対に忘れないんです」
「……は?」
「つまり――」
パトリックによると、エイミーの音痴の原因を作ったのは、彼女の乳母のせいらしかった。
と言うのも、小さいころにエイミーに歌を教える際に、音階と言葉をセットにして教えたらしいのだ。
例えば「あ」であれば「ソのシャープ」と言うように、それぞれの音階に音を当てはめたのである。
そして何故かエイミーは、音階と言葉のセットをまるまる記憶してしまい、どんなに修正しようとしても、歌を歌えば「あ」は「ソのシャープ」と言うようにその音を発するようになってしまったとのことだった。
まさか乳母もこんなことになるとは思わずに、何度も何度も直そうとしたらしいがどうしても無理だった。
ゆえに匙を投げた両親は「人前では決して歌うな」とエイミーによくよく言って聞かせたらしい。


