王子様を落とし穴に落としたら婚約者になりました ~迷惑がられているみたいですが、私あきらめませんから!~

「それで、今日は一体何の用だ。ただ遊びに来たのならばもう満足しただろう? 帰れ」

 クッキーを二枚ほど食べた後でライオネルが言った。

 部屋に入って十分も経っていないのに「帰れ」とはなかなかひどいが、これもいつものことなのでエイミーは気にしない。

「そうでした! 今日は殿下に相談したいことがあったんです!」

 すると、ライオネルはどこか嬉しそうに笑った。

「なんだ、ようやく婚約を解消する気に――」

「なりません! わたしはずっとずーっと大好きですよ殿下!」

「…………じゃあ何の用だ。言っておくがくだらない話は聞かないからな」

 途端にスンとしたライオネルは、三枚目のクッキーに手を伸ばした。

(いつもより食べるのが早いからチョコミントクッキーは気に入ったのかしら?)

 エイミーはそんなことを考えながら、ライオネルに向かって身を乗り出した。

 反対にライオネルはのけぞる。