王子様を落とし穴に落としたら婚約者になりました ~迷惑がられているみたいですが、私あきらめませんから!~

「……なんだニヤニヤと、気持ち悪いな」

「へへ」

 ライオネルがクッキーを食べてくれたのが嬉しくてにこにこしていると、ライオネルが奇妙なものを見るような視線を向けてきた。だがまったく気にならない。ライオネルに「気持ち悪い」と言われるのは慣れている。それよりもクッキーを食べてくれたことの方が嬉しいのだ。

「今日のクッキーどうですか?」

「普通だ」

「よかった、美味しいんですね」

「だから普通だ」

「はい!」

 ライオネルの「普通」は「美味しい」と言う意味であるとエイミーは理解している。なぜならライオネルはまずかったらまずいとはっきり言うからだ。