王子様を落とし穴に落としたら婚約者になりました ~迷惑がられているみたいですが、私あきらめませんから!~

(ふふ、まつげ長い……)

 ゆっくりしていっていいと言われたので、エイミーはライオネルのベッドのそばに椅子を運んきて座ると、じっと彼の寝顔を眺めた。

 きりりとりりしい眉に、すっと通った鼻筋。シャープな輪郭。そして少し薄い唇。――エイミーの大好きな王子様。

 ライオネルは子供のころから顔立ちが整っていたが、年々精悍でカッコよくなっていく。

(ま、わたしは殿下が豚さんみたいな顔でも愛せるけどね)

 そーっと手を伸ばして、ふにっと頬をつついてみた。

 意外にもほっぺたは柔らかい。

 ライオネルは昔からエイミーを邪険にしてきたけれど、でもエイミーは、彼が本当はとってもとっても優しいことを知っているのだ。

 婚約が決まったあとから、エイミーはライオネルとの婚約が嬉しくて彼に付きまとった。

 当時の彼は落とし穴に落とされた屈辱でエイミーを完全に無視していて、どれだけ付きまとっても何の反応も返してくれなかった。