王子様を落とし穴に落としたら婚約者になりました ~迷惑がられているみたいですが、私あきらめませんから!~

 これまでライオネルは、無視をしたり邪険にしたりと、あからさまにエイミーが嫌いなのだということを訴え続けてきた。それなのにエイミーにはまったくと言っていいほど効果がない。それどころか日に日にエスカレートしていく一方だ。

 エイミーとの結婚は、学園を卒業する二年後に決定している。

 つまり別れるならあと二年しか猶予がない。いや、結婚式の準備がはじまってからでは遅いので、猶予は準備がはじまるまでのあと一年だ。

(あと一年、あと一年以内に別れないと俺の人生はお先真っ暗だ……)

 ライオネルはまだ笑っているウォルターを横目でにらみつけながら訊ねた。

「おい、女に嫌われる男の特徴を教えてくれ」

「なんですかいきなり」

「いきなりじゃない! 今まで無視しても邪険にしてもダメだったんだ。ならば俺が世の中の女に嫌われるような男になるしかないだろう⁉」

「遠回しに俺は女に好かれるんだって言っているように聞こえてムカつきますが、それはさておいて殿下、本気で女性に嫌われるダメで気持ち悪い男になりたいんですか」

「なんでダメで気持ち悪い男になる必要があるんだ」

「だって嫌われたいんでしょ? 残念ながら身分と顔と頭脳はどうしようできないので、あとは性格を破綻……はまあ今もなかなか破綻していますが、それとあとは気持ち悪い性癖でもくっつけるくらいしか手はないですよ」

「……」

「とりあえず七三分けにして瓶底眼鏡でもかけ、そうですねえ、人形を持ち歩きながら始終その人形に話しかけてみたらどうですか」

「ふざけるな!」

「いやでもそれくらいしないとインパクトが」

「絶対に嫌だ‼」

「じゃあ無理ですからあきらめましょう」

「それも嫌だっ」

「我儘ですねえ」