「ウォルター、俺は決めた。あの女とは絶対に婚約破棄する!」
「いいじゃないですか、エイミー様は可愛らしいと思いますよ?」
「どこがだ‼ あれはモモンガの皮をかぶった悪魔だぞ‼ このままでは俺はいつか殺されるっ」
「そんな大げさな」
「大げさなものかっ」
ライオネルはぐしゃりと髪をかき上げた。
もちろん、今回の件はエイミーの口車に乗せられたライオネルの失態でもある。
何でも言うことを聞くと言われて、勝てばエイミーと別れられると考えた自分が浅はかだった。
(それにしても邪険にしていればいつかあっちから音を上げると思っていたのに、どこまでもしぶといなあいつはっ)
ライオネルは何度も両親である国王夫妻にエイミーとの婚約を解消したいと申し出た。
けれどもエイミーをやたらと気に入っている両親は、頑として首を縦に振らなかったのだ。
つまり、ライオネルがエイミーと別れるには、エイミーの方から婚約を解消したいと訴えさせる必要がある。
(普通の女ならとっくに心が折れているはずなのに、本当に何なんだ!)


