王子様を落とし穴に落としたら婚約者になりました ~迷惑がられているみたいですが、私あきらめませんから!~

 しかし、ライオネルも当然負けてはいない。

 風をすべて防ぎ切った後で、土魔術でいくつもの礫を生むと、それを弾丸のごとくエイミーの結界にぶつける。

 当然エイミーもその攻撃をすべて防ぎきって、水の魔術で次の攻撃へと移る。

 いつしかクラスメイト達が自分たちの練習の手を止めて二人の応酬に見入っていたことになど気づきもせず、エイミーもライオネルも互いの結界をぶち破ることだけに集中していた。

(五分じゃなくて十分にすればよかったわ! さすが殿下、全然結界が破れない! あと一分しかないわどうしたらいいの殿下の唇~~~~~~!)

 何が何でも三年ぶりの二度目のキスが欲しいエイミーは、必死になって頭を回転させた。


 ライオネルの頭のねじが数本飛んでいると言わしめるエイミーだが、基本的なスペックはかなり高い。その無駄に高い頭脳をフル回転させて、今この場で最適な攻撃を考えた結果――エイミーは閃いた。

 魔術とは、術者の意思によって発動する。

 では、その意思を奪うにはどうすればいいのか。

「殿下、覚悟~~~~~~‼」

 直後。

「うわああああああああ‼」

 ドーンと、突如として足元に出現した巨大な落とし穴の中に、ライオネルは悲鳴を上げながら落下した。

 ――結果、人生二度目の落とし穴にはまったライオネルは、十一年前と同じように気を失ってしまったのだった。