王子様を落とし穴に落としたら婚約者になりました ~迷惑がられているみたいですが、私あきらめませんから!~

 なんでと言われても、ライオネルとたくさん話ができれば嬉しいに決まっているではないか。

(これってシンシアが言っていた痴話喧嘩よね。へへ、嬉しい……)

 周囲から奇異な視線を注がれているのにも気づかずエイミーはうっとりする。

 シンシアはよくあきれ顔をするけれど、ライオネルと婚約して十一年。これでもましになった方なのだ。

 何故なら婚約当初は、ライオネルから完全に無視されていて、何を言っても何をしても彼は無反応だったのである。

 だからエイミーは、とにかくライオネルから反応を取り付けようと、毎日毎日努力を重ねた。その結果がこれだ。ライオネルはぷんぷん怒っているが、それでも反応してエイミーを見てくれるようになった。ものすごく嬉しい。

 一限目のはじまりを告げる鐘の音が鳴り響いて、教師が校庭にやって来た。

 初級の防御結界についての説明を終えると、すぐに実技練習がはじまる。理論も大事だが、魔術はいかに練習してそれを自分のものにするかが大事なのだ。