「殿下、今日はペアで実技ですよ! わたしたちのための時間です!」

「そんな時間あってたまるか‼」

「ああ、それにしても殿下、今日もシトラスミントのいい匂い……」

「やめろ‼」

 くんくんと手のひらの匂いを嗅ぎはじめると、ライオネルが悲鳴を上げて手を引っ込める。

「へへへ」

「……お前は本当になんなんだ」

「殿下の婚約者ですよ! すきありっ」