王子様を落とし穴に落としたら婚約者になりました ~迷惑がられているみたいですが、私あきらめませんから!~

「エイミー・カニング様が殿下を殺害しようとしたのよ‼」

 講堂の一階部分の中央のあたりから、甲高い声が上がった。

 殺害という単語に、講堂内がさらにざわめきを増す。

 声がした方を振り返ると、一人の女子生徒がこちらを厳しく睨みつけて立っていた。

 国王が怪訝そうな顔でその生徒の名を呼ぶ。

「スケール伯爵令嬢、今の発言をしたのは君かね?」

 こちらを――正確にはエイミーを睨みつけていたのは、パトリシア・スケール伯爵令嬢だった。

 パトリシアは自席から舞台に向かって歩いてきながら続ける。

「はい、わたくしです陛下。どうか発言をお許しください」

「ふむ……」

 国王はちらりとエイミーを見て、それから鷹揚に頷いた。

「まあいいだろう。ただし、舞台には上がって来ぬように」

「ありがとうございます」

 パトリシアは舞台の下ぎりぎりまで歩いてくると、国王に向かって優雅に一礼して口を開いた。

「わたくしは、今回のこの件は、エイミー様が殿下のお命を狙って仕掛けたことだと思っております」

「な――」

「シンシア、し!」

 エイミーの側にいたシンシアが反論しかけたのを黙らせて、エイミーはパトリシアに視線を向ける。

 エイミーが反論しないからか、パトリシアは俄然勢いづいたようだ。